(16)【商業登記】出資金払込は定款作成「前」でもOK?株式会社と合同会社の違い・注意点を徹底解説!

2026年8月21日金曜日

商業登記法

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【商業登記】出資金払込は定款作成「前」でもOK?株式会社と合同会社の違い・注意点を徹底解説!

会社設立の手続きにおいて、必ず必要となるのが**「出資金の払込み」**です。

実務上、「定款を作成する(または認証を受ける)前に、フライングで出資金を振り込んでしまったのですが大丈夫ですか?」といった相談を受けることは少なくありません。

結論から言うと、**「株式会社」であれば定款作成日前の払込みでも認められますが、「合同会社」では現在も認められずNG**となります。今回は、令和4年の通達内容を含め、会社形態による違いと実務上の注意点を分かりやすく解説します。

1. 【株式会社の場合】定款作成日や同意日「前」の払込みもOK!

株式会社の発起設立については、令和4年(2022年)6月13日付の法務省通達(民商第286号)により、取扱いが大きく柔軟化されました。

通達による要件の緩和ポイント

定款の作成日や発起人全員の同意があった日**「前」に払い込まれたものであっても**、以下の条件を満たしていれば、設立登記の添付書類(払込証明書)として受理されます。

  • 発起人の口座に払い込まれていること
  • または、設立時取締役の口座であること(※発起人からの受領権限委任が必要)
  • 「今回の設立に際して出資されたもの」と認められること

事前に入金しておく実態が認められたため、「定款作成前に振り込んでしまったから再度振り込み直さなければならない」といった二重の手間はなくなりました。

2. 「いつ頃の振込」まで認められる?(株式会社の期間制限)

「数ヶ月前や数年前の入金でも大丈夫なのか?」という点についても、同通達および運用において明確化されています。

  • 1年前の払込み:
    事前準備の期間として想定されるため、原則問題なく受理されます。
  • 数年前(5年前など)の払込み:
    振込時期が古いことだけを理由に却下されることはありません。「明らかに今回の設立出資とは無関係である」といった特段の事情がない限り、受理される取扱いとなっています。

3. 【要注意】合同会社は定款作成「前」の払込みはNG!

実務上、最も気を付けなければならないのが**合同会社(持分会社)の設立**です。

なぜ合同会社はダメなのか?(根拠条文)

令和4年の緩和通達は、あくまで**「株式会社(の発起設立)」のみを対象**としたものです。一方、合同会社に関しては会社法第578条に明確な規定が存在します。

会社法第578条(持分会社の設立における出資の履行)
「合同会社の各社員は、定款の作成後、設立の登記の申請までに、その出資の資金の全部の払い込みをしなければならない。」

このように、法律で明確に「定款の作成後」と指定されているため、合同会社の設立において定款作成日より前に振り込まれた出資金は、**現在でも登記手続き上認められません(補正・却下対象となります)。**

合同会社を設立する場合は、**必ず「定款作成日と同日」あるいは「定款作成日より後」**に出資金を振り込んでもらうよう徹底する必要があります。

4. まとめ

  • 株式会社:
    定款作成日や同意日「前」の払込みでもOK(令和4年通達)。事前入金や古い日付でも幅広く認められる。
  • 合同会社:
    定款作成「前」の払込みは**不可**(会社法第578条)。必ず定款作成日以降に入金する必要がある。

株式会社と合同会社では、条文上の制約により出資金の払込時期に関するルールが異なります。設立手続きを進める際は、会社形態ごとの要件をしっかりと確認し、不安な場合は法務局や司法書士などの専門家へ相談することをおすすめします。

カテゴリー: 商業登記 / 会社設立実務

タグ: 会社設立 / 株式会社 / 合同会社 / 出資金払込 / 定款作成日 / 令和4年通達 / 会社法578条

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